
人気DJのジャングル・ジュリア(シドニー・タミーア・ポワチエ)は仲間を集めて酒場でヨタ話をしている。同じバーで飲んでいるスタントマン・マイク(カート・ラッセル)は彼女たちのひとりを車で送っていく約束をつけるが、やがて本性をむき出して…
70年代のアメリカでB級映画の2本立て、3本立て興行をやっていた「グラインドハウス」の再来というわけで、タランティーノが企画した2本立て映画のうちの1本。オマージュを捧げるのは70年代のカーアクション映画…なんだけど、そこはタランティーノだけに一筋縄では終わらない。とんでもないバカ映画に仕上がっていて、中盤からはバカバカバカとスクリーンに向かって絶叫しながらも最後まで楽しんでしまった。
残念ながら70年代のグラインドハウスってのは知らないんだけど、このあたりの映画はテレビで見たって記憶が大きいですね。わざと作られたフィルムの傷とかコマ飛びとかに思いっきり気分をくすぐられて、えんえんと続くセクシー美女の下品なヨタ話に「たる〜」なんて思いながらひたすら耐えて、中盤の山場、そして疾走するラストなどびんびんに気分は高揚。カート・ラッセル、ぼこぼこのラストとTHE ENDのクレジットの間の取り方なんて本当に絶妙で凄い。こちらもノックアウトされてしまいました。
70年型ダッジ・チャレンジャー(バニシング・ポイントに登場)が後半の主役となってたけど、個人的な思い入れではムスタング・マッハ1(バニシングin60ですね)が映画と同じイエローにブラックのラインが入った姿で、スタントウーマンのゾーイ(ゾーイ・ベル)たちの愛車として登場したあたりがもう嬉しかったです。
そういやタル〜い前半を必死で耐えるという構成も、昔のアクション映画観賞としては王道というか、懐かしい。うーん、とんでもないバカ映画にかかわらず、何もかもひいき目に見てしまうのがタランティーノマジック健在ってとこでしょう。
クエンティン・タランティーノ監督。2007年アメリカ映画。